法務相談

職場での悩み

職場において使用者、労働者、就労条件などを取りまとめたものがいわゆる労働基準法はじめ労働六法と呼ばれる各種法律ですが、現在日本において現行労基法等は形骸化しているといってもよいでしょう。
 グローバル化が叫ばれて久しいご時世ですが、根本的に社会の実情や意識がこれら法律になじまないことが多々あるからです。不思議と言えば不思議な現象なのですが、だからといって法の決まりを無視するわけにはいきません。特に労働者側は主張すべきとき、出来るときにはしっかりと自分の意思を示すべきではないでしょうか。


Q. 長時間残業や休日出勤が多すぎるので困っていますが?
A. 労基法に定められた就労時間を超えて労務に従事させることは、基本的に違法です。

 労働基準法には、就労時間や休日に関する事項が細かく規定されています。適用除外される業種や、労使協定による取り決めなど、一定の場合を除きこれに反し労務に従事させることは違法となります。では協定を結んだりすれば無制限に使用者が労働者を働かせてもいいかというとこれにも上限があり、これに反するとこれまた違法です。
 そもそも雇用というのは請負と違い、ある物件を完成させていくらと言うものではありません、
「労務を提供し、これに対する報酬を得る」ことが目的ですから、理屈で言えば仕事が終わらないから帰れないというのは法の意図するところではないのです。
 私は昔、現場仕事をしていましたが、よく「やり切り終い」ということで、夜なべして仕事をしていたことがありましたが皆さんも実情はそんなところではないでしょうか?。
 まずは自身の勤務状況や、上司の指示などをノートなどに残しておくところから始めましょう。

▲このページのトップに戻る




Q. 会社側の主張に納得がいかないのですが、やはり直接交渉するしかないのでしょうか?
A. 労働審判制度や個別労働紛争解決制度を利用しましょう。

 まずは、所轄の労働局に問い合わせて自分の現在の状況を説明します。その時点で明らかに労基法違反とみとめられれば労働基準監督署から会社になんらかの処分があります。しかし、判断が微妙な場合ですと、上記の個別紛争解決制度や労働審判制度という労働者、使用者の二者のあいだに入って調停、あっせん案を示してくれる制度を紹介してもらえるでしょう。
 両者の大きな違いの一つは裁判所にいくか行かないかというところですが、労働審判の場合、審判が下ってから2週間以内に異議の申し立てがされると通常の訴訟に移行しますし、個別紛争解決制度は当事者が応じてくれなければ始まりません。しかし、会社側とすれば世間体という大きなビハインドがありますから、争いが長期にわたったり、不出席ということはまずないかと思われます。自分の主張をしっかり通したいのであればこれらの制度をうまく活用するのも良いでしょう。

▲このページのトップに戻る




Q. 職場で退職を促され、それ以来何とも居心地が悪い思いをしています。あまりに理不尽ではないかと思うのですが?
A. 退職強要とみなされると会社に民事上の責任が発生します。

 整理解雇要件も満たしておらず、単に経営不振だから辞めてほしい等で退職を促されても本人の意思しだいですので、応じる応じないは自由です。ただ、会社側が辞めさせたいがため、過度に退職を進めたり、半強制的であったり、使用者の人格や尊厳を蹂躙するようなものであれば、退職強要とみなされ、民法上の不法行為責任が発生する可能性があります。やはりこの場合も会社、上司、職場環境に問題があることを立証する必要がありますから、まずはおかしいなと感じたときからノート等にメモを取ったりしておきましょう。

 

 また、やはり争いごとは避け、自分が身を引こうという場合も、退職届などに退職勧奨により辞めるという旨をしっかり記載するようにしましょう。自己都合などと書きますと、雇用保険に制限がかかります。

▲このページのトップに戻る




Q. 会社が倒産した場合の給料は?
A. 労働者の賃金は一定の場合を除き、優先的に保護ざれます。

 まず民法308条により、先取特権というものが賃金に対して認められています。会社が倒産ということになりますと、乱暴な言い方をすれば、当然お金がない状態なわけですが、正確に言うと現金がないだけで、換金できる資産は手元に残っている状態です。倒産時には借金漬けなはずですからこの資産も貸主の担保に入っていると見て間違いないでしょう。
そして担保物件から優先的に返済してもらえるのが貸主の特権でありますから結果的に会社に残る金銭はゼロ、となるところですがこの貸主の特権よりも優先されるのが先ほど述べました先取特権にかかる賃金です。つまり未払いに終わるという心配はこの理論で行きますとまずないということになります。
 しかし、残念ながら未払い賃金の確保は絶対というわけではありません。会社の倒産処理、すなわち再建を図るのか、まったくさらにしてしまうのかで、先の優先権に順位が付けられてしまいます。最悪の場合、賃金がでないという事もありえますので、まずは所轄の監督署に相談に行かれたほうが良いでしょう。
 では全くの泣き寝入りをすることも致し方ないかと言いますとそうでもありません。労働基準監督署か労働者健康福祉機構に賃金の立替払いを請求するという手段もあります。この際、給与明細がキーポイントになりますのでお忘れなく。

▲このページのトップに戻る




Q. 有給休暇を1年で使い切らないと無くなってしまうのですが、忙しくて使う暇がありません。なんとか使い切りたいのですが?
A. 有給は2年経過するまでなくなりません。

 よく就労規則などで1年でリセット、というようなことを聞きますが、有給休暇の消滅時効は労基法により2年です。法律が優先ですから就労規則に定められていても無くなりません。忙しいという根拠が自己の責任感からのものであれば何ともいえませんが、職場や上司がそれを快く思わないからというのであればせっかくの権利が台無しです。そもそも有給休暇というのは一定の要件に充足した労働者の当然の権利というのが、司法の解釈です。
 ところが会社側にもこれを変更してもらう権利(時季変更権)がありまして、希望日に有給を取れないこともありえます。しかし、この権利が認められるには高いハードルがありますので、使用者側にどういう理由で休めないのかしっかり説明してもらうようにしましょう。また、この権利は退職前に有給休暇を使いきろうという労働者に対しては認められません。10日有給を持っている社員が退職10日前に有給休暇を使おうとしてるのに、他の日に変更、ということは現実にありえませんし、それでは10日の権利が認められないことになってしまうからです。

▲このページのトップに戻る




Q. 快適職場推進計画の認定業者になると特別の融資が受けられると聞いたのですが?
A. あくまで職場を快適にする目的の範囲でしかうけられません。

 労働安全衛生法という法律に基づき、職場の快適化を図り、社員の労働効率を促進させようとする試みで制度化されたものですが、上限400万までの融資があるのは確かですが、融資対象となるのは職場の快適化のために必要な施設、設備等です。つまり会社の運転資金としての融資制度ではありませんのでご注意ください。
 しかし労災保険の特例メリット制(一定事業を適用除外とした上で、労災保険率の上限を5%増やせる)を受けられたり、ISOと並び、対外的な企業のイメージアップに繋がる等、企業のアドバンテージとなりますので、注目していただきたい制度です。

▲このページのトップに戻る




Q. 会社でのセクハラ、パワハラにウンザリしています。なんとかしたいのですが?
A. まずは証拠を押さえるところからはじめましょう。

 まずセクハラについてですが、全ての会社にはこれを防止するための指針を構築する義務があります。これは就労規則などで「セクハラは禁止」程度の処置では足りません。ですから、まずは会社側にこういう被害にあっていると、明確に伝えることです。個人の感性の違いは当然ありますが、自分がガマンできない程度であれば勇気を出して相談してみましょう。会社には相談に乗る義務、セクハラ行為者に処分を下す義務、相談者のプライバシーを守る義務もあります。義務と書きましたので、当然義務違反には行政からの罰則もあります
 また、行為者に対し損害賠償、慰謝料請求という方法もありますが、前述の場合も同様に、言った言わないといった水掛け論になりがちなものです。まして損害賠償等を請求となれば、事実を立証しなければならないのは被害者側です。こうした観点から、まずは証拠集めです。友人にこっそり見張ってもらうなどして客観的に事実を証明できるようにしたいですね。
 こういった意味ではパワハラも同様のことが言えますが、こちらは早い話「いじめ」ですのでセクハラよりもある意味解釈の度合いがおおざっぱと言えます。また、法律でセクハラのような行為抑止規定が無いものですから、一見よりどころのないような気もしますが、その行為、言動に合理性が見られなかったり、世間一般の常識を逸脱するようなものであれば当然、不法行為とみなしてもよいかとは思います。私見ですが、自身が耐え難いほどの屈辱を何度も受けていると感じたのなら充分パワハラです。その点から考えるのならば、セクハラ同様まずは証拠収集からスタート、ということになるでしょう。
 いずれにせよ、自分がガマンすればなんとかなるというような姿勢では心身ともに、また自分の家族や身の回りの方々にも良い結果をもたらすとは少々考えにくいというのが私個人の見解です。

▲このページのトップに戻る




Q. 出勤時間も労災適用があると聞いたのですが?
A. 一定の認定基準はありますが、個々の事例によります。

 通勤というのは、納得のいかない方もいらっしゃるでしょうが、基本的に会社の指揮監督下にありませんから会社側としての補償というのはありません。会社から、通勤中に得意先によって来いとか、何々をどうこうといった命令や指示が下されているのであれば別ですが。
 では、会社から補償がないのなら労災かというと、これも即答できない所でして、「会社に出勤すると言う目的で家を出て、普通ならこういう方法でこういうルート通るとした上でなんの違反もなく、個人的な寄り道もせず、会社に着いた。」簡単に言いますと、上記カッコ書きを守った上で事故なり事件に遭遇してしまったのであれば通勤災害ということで、労災が適用されるでしょう、会社からの帰宅も同じです。しかし一番要件として厳しいのが「寄り道」です。たとえば帰り道にちょっと一杯ということで通勤コース上から離れた居酒屋に立ち寄った(これを逸脱、中断といいます)となりますと、コースから外れた時点で労災適用外となります。たとえコース上であったとしても、借りていたDVDを返す為にレンタル店に立ち寄ったとか、その他日常生活に必要で仕方の無いものと認められなければ同様です。こうなりますと、その後の行動は全て自己責任ということになりますので、元のコースに戻ったとしても労災の保護範囲ではないわけです。逆に、それが業務の一環だという一遍がかいまみえれば話しはまた違ったものになりますが、それを決めるのは私でありませんから、ご自分の中で微妙なジャッジングになりましたら(財)労災保険情報センター等に聞いてみましょう。

▲このページのトップに戻る




Q. 損害賠償予定の禁止と身元保証契約は矛盾しているのでは?
A. 私もそんな気がしていますが、明確な解答は未だ得られていません。

 雇用の際に使用者があらかじめ労働者と違約金等を取り決めることを法は禁止しています。一方、身元保証人を立てさせて損害が発生した場合に備えるいわゆる人的担保を取ることは合法とされています。前者が使用者、労働者間の契約であるのに対し、後者は使用者、保証人の契約ということで、別個の制度主旨であるとのお話しも以前に偉い人から聞いた覚えがあります、また基準監督署の方に伺いましたところ、どうも胸に落ちない説明だったりと、なんともあいまいさがいさめません。
 私としてはどちらも同一目的で担保を取るのだから同じ穴のナントカという気がしますが、、、、勉強不足なんでしょうか?。

▲このページのトップに戻る

 

横田幸一行政書士事務所
長野県長野市徳間1706
TEL:026(296)1055
FAX:026(296)1233

緊急の場合は携帯までご連絡ください。
携帯:08010437034

メインエリアは長野県北信地域全域です。
この他に長野県中信・南信地域、東京都、新潟県、群馬県、埼玉県、栃木県、山梨県となっております。
また、特殊車両申請手続きは全国対応いたしております。
法務相談の場合、遠方のお客様が多いのでなるべく依頼される方のお近くまで行けるよう努力しております。
出張依頼をご希望の方はお気軽にお電話の上ご相談ください。