法務相談

家庭内の諸問題

「法律は家庭に入らず」とは、もう古い話なのでしょうか。ちかごろは夫婦や肉親の間で一度争いごとがおきてしまうと徹底的に対立しあうという傾向があります。そんなとき、私たち法務屋の出番なのですが、本音を言えばなんだか寂しいです。とりあえず、もう一度話合ってみれないものかとも思いますが、、、、、。


Q. とにかく離婚したい!でも相手が応じてくれないがどうすれば?
A. 法廷では明確な理由が無ければ認めてもらえません。

 まずは家庭裁判所に調停の申し立てをしましょう。これは調停委員と呼ばれる第三者に互いの言い分を聞いてもらい、その上で具体的な打開案を提示してもらい、それで折り合いを付けませんかという制度です。そこで互いの姿勢が変わらないようであれば、家庭裁判所から離婚を宣言してくれる場合もありますがこの宣言を得るのは相当の要件をクリアしなければならず、実例は少ないものです。また、この場で離婚宣言を下されても2週間以内に相手方から異議申し立てがあればその効力はなくなります。もし相手が異議を申し立て、それでも絶対に離婚したいというのであれば法廷で争うほかありません。
 さて、民法には離婚原因というものが記載されています。これによると
 ①「不貞行為」
 ②「悪意の遺棄」
 ③「三年以上の生死不明」
 ④「回復の見込みのない強度の精神病」
 ⑤「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」
 上記5つのうちどれかが裁判で認められなければ、まず離婚は認めてはもらえません。つまり裁判になり、どうあっても離婚したいのならば、①~⑤のどれでも自分の離婚理由にあてはまるものを法廷で主張・立証しなければならない訳です。中でも⑤に関しては解釈の仕方があまりに広範囲な為、これに該当する主張となればより慎重に検討した方が良いでしょう。

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Q. 離婚の際、子どもの養育費を巡って揉めている場合は?
A. 契約として書面に残しておくのが先決です。

 金額面で折り合いがつかない場合、家庭裁判所に調停を申し立てて決めてもらうことになるでしょうが、原則、夫婦間の話し合いによるものです。離婚後、子に対して特別養子縁組が成立するという特異な例を除き、法律上も生物学的にもどこまでいっても親子は親子ですから両親には当然に子を扶養する義務があります。ですから、このことを大前提に話合う必要があります。さて、どちらがどれくらい払うという話しまで来たら、具体的な内容を決めましょう。いつ、どんな方法で、子どもが何歳になるまで払うのか、といった具合です。この内容に関しては出来る限り細かな規定を定めておくことです。そのうえでやはりタイトルはどうでもいいですが2人がその取り決めに合意しましたという一筆が欲しいですね。これで契約として書面に残すことが出来ますから、後になって言った言わないの水掛け論は回避できます。しかしあくまで双方の任意のもとに実行されるものですから、相手方の支払いを確実なものにしたいのであれば強制執行約款付きの公正証書として残しておくという方法もあります。現在、離婚の際に金銭の折り合いをしっかり付けてから別れるという夫婦はあまり多くないというのが実情です。後になってそれがトラブルの引き金になることが少なくありません。そこから事態を好転させるにはかなりの労力を要しますので、これ以上の揉め事はウンザリ!。と気が急いてしまいがちですが、見切り発車ならぬ「見切り離婚」は避けたいですね。

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Q. 約束していた養育費の支払いが滞っているときは?
A. たとえ口約束でも支払う義務はあります。

 養育費を払うという約束が口頭であったとしても、そこには特別の事情がないかぎり、両者の意思表示の合致があったはずです。約束とは言い方が違うだけでつまりは契約ですから、事の重要性も加味して「あれは冗談だった。」で済まされるものでもありません。あまり滞納がひどいようでしたら内容証明で相手方に催促するという手段もあります。また、裁判上の離婚という場合ですと、調停などの段階で少なくともこういった話しが出てくるはずです。申し立てをした家庭裁判所に履行催告や命令書などを出してもらうようお願いしましょう。多くはこれで支払いが再開されますが、相手方に支払い義務を定めた調書、判決がある場合ですと、最終手段として強制執行と言って相手方の財産を一定額、取り立てることが出来ます。しかし、額や支払いに関して口約束のうえ離婚、というケースが多いようです、冒頭でも述べましたが、立派な契約に変わりないのですがいかんせん請求にあたり決定打にかけるところがあります。相手が知らぬぞんぜぬを通すようであれば、家庭裁判所に養育費請求調停申し立てをして解決してもらうという方法があります。または、改めて養育費について話し合いの場をもうけてその際にキッチリと支払方法や金額などを具体的に書面にしておくという方法もあります。私見ですが我が子の問題ですから「しらない。」ではあまりに稚拙です。最低限親としての自覚の元、面倒は見ましょうね。

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Q. 養育費っていつまで払えばいいの?。後から増やしたりできる?
A. 基本的には話し合いで合意すれば自由です。

 まず、支払いの終期がいつかですが、一般的には子が成人するまでというケースが多いようです。離婚後の養育費等の増、減額もできます。基本的には親同士の話し合いがまとまることと、子も含めて誰かが不利益を被るということさえなければ自由に決めても差し支えありません。しかし、話し合いがまとまらなければ家庭裁判所で調停を申し立て解決の道を探りましょう、また養育費については子から親へ別途請求ということもできます。そして支払うべき親に特別の事情が生じた場合など、相手方に対し減額してもらうこともできます。まずは常識的に考えて、子どもが社会人として完全に自立しているうえで、なお子にたいする養育費が発生するかという事も参酌勘案するべきでしょうし、「ない袖は振れぬ」ということで、いくら必要だからと言って、相手方にそれに応じられる経済状況がない限りまずムリでしょう。その逆もしかりで経済的に社会通念上相当の余裕があるのにさらに養育費を請求するというのも主旨を外れているような気がします。ここのところはどうしても白黒つけるとなれば法廷で、ということになるでしょうか。

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Q. 財産分与がゼロなんてことがあるの?
A. 私の知る限りはまずありえません。

 財産分与というのは、平たく言えば婚姻中に夫婦で協力し合って得たものを別れるんだから折半しましょうという理屈です。この協力し合ってという所がポイントで、もし財産分与無しと言うことが認められるとしたら、夫婦のどちらかが、家事も仕事も全くしない、何の生産性も協力体制もない完全な別個独立という極めて特殊な要件が必要ではないかと思われます(最終的には裁判官に決めてもらうのが一番ですが)。また、財産分与の性質と常識を考えれば、おのずと分けるべき財産のめぼしもつくかと思われます。
 例えば実際にお金を出したのは妻だが名義が夫になっている車はどうでしょう?。現行民法では基本的に財産は夫婦別個に有するものとされています、つまり自分で買ったものは自分のものという当たり前のことなのですが、そうであるなら名義が夫だろうと妻の買い物ですから持ち主は妻、したがって離婚にあたって車はいただくわ、といきたいところでしょうが実際そんな単純に決められるでしょうか?。
 お金を出したのは妻かもしれませんがお金を工面した方法はどうだったでしょう?車の購入目的は?維持費は?。などいろいろ考える余地がありそうですね。
 では結婚前から妻が乗っていた車は誰のものでしょう?婚姻中、車検代や燃料代等すべて夫が負担していたなら?修理代を妻が出したときは?。
 実務ではここまで神経質に分けるケースは少なく、これはお前あれはあなたといった取り決めで財産分与がなされますが、あとになってトラブルの火種にならないようにしっかり書面に残しておくことをおすすめします。

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Q. 慰謝料の金額はどうやって決めるの?
A. 極端に言えばいくらでも構いませんが、相場はあります。

 読んで字のごとく「慰み、謝る」ためのお金です。自分の心情をお金に換算するようなものですから、あなたが1億円払ってもらわなければ気がすまないというのであれば1億円でしょう。相手がそうだなと受け入れてくれればそれでおしまいですが、そうはならないのが普通です。
 まずは当事者間の話し合い、もつれたら家庭裁判所で調停、最終的には判決で決めてもらいましょう。
 慰謝料の相場ですが大体200万前後が現実的なようです。しかし先ほども述べた通り、1億で両者一本締めなら1億ですし、逆に10万でお互い納得すれば10万です。これは相手の経済的事情が大きく関わるところで、まさにない袖は振れませんし、あれば振ろうが振るまいが当事者の協議しだいといったところです。

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Q. 離婚の際に妻の借金が発覚し、なんと自分が連帯保証人に!関係ないと断固認めないことにしましたが、、、
A. 貸主に対し連帯保証の無効を主張しましょう。

 普通、貸す側も自分の夫が連帯保証人だというのであればまず疑うことはしないでしょう(最近では連帯保証人を立てる場合、夫や妻をきらうという業者も多いようですが)夫婦というのはある意味一心同体といいましょうか、民法761条でも夫婦の日常家事に必要な費用は連帯責任という規定もあります。しかしこれで連帯保証が成立するかというとそうもいかないわけでして、判例によりますと、「それが特にこの夫婦にあっては日常の家事に属するものと契約の相手方が信じ、そう信じることが極めてもっともであるという客観的状況にある」場合でないと、保証債務は成立しない」と言っています。つまり、かなりハードルが高く設定してあるのです。
 内緒で借金して使ったお金が生活費にまわっていたとは考えにくいですから、責任を免れる可能性は高いはずです。

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Q. 金銭は一切受け取らない約束で離婚したが、家計が苦しくやはり財産分与など請求したいのだが、、、
A. 制限を受けることもありますが、請求できます。

 離婚する上で、お金の話がこじれると面倒くさくなったり、やけになったりしてしまいがちです。とかく離婚を申し出た方にしてみれば、一刻も早くこの状態から開放されたい、と言う思いが強いですからいたしかたないともおもいます。
 このような場合も家庭裁判所に調停(財産分与、慰謝料請求)申し立てをしますが、その前に「離婚後、金銭は一切請求しない」旨の約束をしてしまうと、いくら家裁といえど、当事者の取り決めを一方的に覆すことは出来ません。ただし、その約束が親権との交換条件でやむなく交わされたものであったり、詐欺などの取り消し権を発動できるものであればこの限りではありません。また注意したいのは財産分与請求権は民法768条により離婚のときから2年で消滅しますし、慰謝料請求権は3年で消滅します。この時効期間内に調停や和解もしくは裁判等により判決で慰謝料請求、財産分与をみとめてもらえば10年となりますが、速めに請求した方が良いでしょう。

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Q. 遺言状をつくるメリットとは何ですか?
A. 遺族同士の紛争を未然に防止することができるなど、いろいろなメリットがあります。

 遺言状作成のメリットをおおまかにまとめてみましょう。
 ①自分の財産を法定相続人以外に相続させられる
 ②財産を相続させたくない者を廃除できる(注)確定的に排除できるわけではありません
 ③後日の相続人同士の紛争を回避できる
 ④一定の範囲で自分の財産を特定の人にだけ相続・遺贈できる
 どれも大きなメリットといえますが、中でも③は特に重要といえます。
 遺言状がない場合、残された財産は相続人同士の話し合い(これを遺産分割協議といいます)で分けるか、民法で決められた分配方法に従うかのどちらかということになります。しかし、この遺産分割協議というのが厄介で、相続人全員出席、全員一致という大原則があります。想像しただけでも揉めそうですよね。また、分割できない、したくない財産(農地など)が分割協議にかかることを避けるためにも、遺言作成は非常にあなどれないのです。
 ちなみに被相続人に相続人がいないとき、最終的には被相続人の財産は国のものとなります。

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Q. 相続放棄したけれど、やっぱり相続人に復権したいが?
A. 特別な事由がない限り、原則として復権できません。

 任意で放棄した場合、取り消しは出来ませんが、相続放棄に至る過程で詐欺、脅迫、があった場合には家庭裁判所に申し立て、取り消してもらいましょう。また、錯誤(勘違いのこと)でも取り消せる可能性はあります。
 あとは特殊な例ですが、被相続人に対して債権を持っている人は、できれば相続人全員が相続して新債務者となってくれるのを望むものですから、相続放棄をした者に対して、相続放棄無効確認訴訟を提起することも考えられ、結果として望まずも復権するということもありえます。

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Q. 遺言で相続財産が全部寄付!?自分は相続分ゼロなの?
A. 遺留分という最低保障があります。

 あなたが被相続人と兄弟姉妹の関係に無ければ遺留分という自分の最低限の相続分が保障されています。ということは相続財産を寄付された相手にそのことを主張しなくてはなりません。ただ単に、「遺留分があるから大丈夫」なワケではないのです。一定期間が経過するとその主張も出来なくなりますから注意が必要です。
 さて、相手方へ「遺留分を返してください」という請求(これを遺留分減殺請求と呼びます)の方法ですが、話し合いで応じてくれればベストですが、こじれたら内容証明で返還を促したり、最初から家庭裁判所に申し立てをしても構いません。ただ、慰留分権者があなただけならよいのですが、複数人いる場合は再度遺産分割協議が必要です。
 この制度を違う角度からとらえると、自分の身内なんだからある程度は財産を残してやりなさいという主旨といえますが、では
 「自分の財産はなにがどうでも全部寄付する!!」といったことは可能でしょうか?またその方法は、、、、、、?

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Q. 遺言書はどんな内容でも構わないのか?
A. 構いませんが、一定の要件を欠いた場合無効となることがあります。

 遺言書作成の方式は自筆、公正、秘密証書の三種類が基本です。その他特別な方式もありますがここでは省略させていただきます。
 さて、まずはその内容ですが例えば「挨拶はきちんとするように」といった、相続人の道徳観念的なものは、書くのは自由ですが法律的にどうかと言われると効力は生じません。肝心なところは相続財産をどうするかについてですが、丸投げするような内容(例えば、相続人でよく話合って分けなさい、など)や抽象的な表現(あの辺一帯の土地、とか生活に困らない程度のお金、とか)はオススメできません、後の紛争の火種となる可能性が高いからです。
 つぎに作成方式についてですが、民法968条から細かく規定がありますので割愛させていただきます。ごめんなさい。
 では最後に遺言の効力についてですが、基本は遺言者の死亡時からです。停止条件付の遺言でしたら死亡後の条件成就時(例えば、自分が死んだ日から1ヵ月後など)に効力が生じます。そしてあたりまえといえばあたりまえなのですが、遺言書が法律的に無効なものであったとしても、相続人全員がそれで良しとすれば、その時点では立派な遺言書であることもお忘れなく。

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